良い睡眠をとろう!

各地続々と梅雨明けし、夏真っ盛りになってきました!
暑い日が続きますが、こんな時こそ体調管理をしっかりしたいですね。
心身の疲労を回復する働きが「睡眠」にはありますが、睡眠不足や睡眠の質が悪いと健康上の問題や生活への支障が生じてしまいます。また、生活習慣病のリスクにもつながります。

今回のコラムは、健康づくりのための「睡眠」。睡眠の質を見直して、快適な毎日を過ごしましょう。

健康づくりのための睡眠指針2014 ~睡眠12箇条~
(厚生労働省が、平成26年3月に策定した、健康づくりのための睡眠指針)

1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
良い睡眠で、からだの健康づくり、こころの健康づくり、事故防止を心掛けましょう。

睡眠には、心身の疲労を回復する働きがあり、睡眠時間の不足や質の悪化は、生活習慣病のリスクにつながります。また、不眠がこころの病につながることや、睡眠不足や睡眠障害による日中の眠気がヒューマンエラーに基づく事故につながることが分かっています。

睡眠についての正しい知識を身につけ、睡眠時間の確保、質の改善、睡眠障害の早期対応によって、事故防止とともにからだとこころの健康づくりを目指します。

2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
定期的な運動や規則正しい食生活は、睡眠と覚醒のリズムにメリハリをつけ、良い睡眠をもたらします。朝食はからだとこころの目覚めを促します。一方、就寝直前の激しい運動や夜食の摂取は、入眠を妨げます。また就寝前のリラックスは入眠を促すために有効ですが、就寝前の飲酒や喫煙、カフェインの摂取は睡眠の質を悪化させるため、控えるようにしましょう。

3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
睡眠不足や不眠の人は、生活習慣病になる危険性が高いことがわかっています。過体重や肥満によって睡眠時に気道が詰まりやすくなって呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群は、治療しないでおくと高血圧、糖尿病、ひいては不整脈や脳卒中などの危険性を高めます。予防のためには、肥満にならないことが大切です。


4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です
眠れない、睡眠による休養感が得られない場合、こころの病の症状として現れることがあります。

こころも病に限らず、睡眠不足や不眠、睡眠による休養感が得られなくなると、注意力や集中力の低下やからだの痛みや消化器系の不調などが現れ、意欲が低下することがわかっています。

5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
日本の成人の標準睡眠時間は、6~8時間といわれています。しかし日の長い季節であれば短くなり、日の短い季節であれば長くなるといった季節による変化や、年齢、性別による変化など、必要な睡眠時間は個人差があります。

長く睡眠をとったからといって、健康になるわけではありません。加齢により睡眠時間が短くなること、日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠が一番であることを知っておきましょう。

6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
スムーズに眠りに移行するために、自分にあったリラックス法(入浴法など)を工夫し眠りへの心身の準備をしましょう。また睡眠に適した環境づくり(部屋の温度や湿度、照明など)も重要な要素です。自分にあった方法を工夫してみましょう。

7.若年世代は夜更かしを避けて、体内時計のリズムを保つ。

思春期になると、子どもたちは夜更かしをするようになります。若年世代では、平日と比べて、休日は起床時刻が2~3時間程度遅くなることがわかっています。これは平日の睡眠不足を解消する意味がありますが、一方で体内時計のリズムを乱すことから、休日後、登校日の朝の覚醒・起床を困難にさせることになります。

体内時計は、起床直後の太陽の光を手がかりにリセットし、1日の時を刻んでいます。起床時間の遅れ、起床後暗いままの部屋で長時間過ごすことで、太陽光による体内時計のリセットが行われず、正しいリズムを保てなくなります。

また寝床に入ってからの携帯電話、ゲームなどは覚醒を助長し、夜更かしの原因になります。頻繁な夜更かしは体内時計のずれによる睡眠時間帯の不規則化、夜型化を招く可能性があるので、注意が必要です。

8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
自分の睡眠時間が足りているかどうかは、日中の眠気の程度に注意することで知ることができます。
睡眠不足は、仕事の作業能率を低下、産業事故などの危険性を増加させ、疲労回復を難しくさせます。それを防ぐためには、毎日必要な睡眠時間を確保する必要があります。夜間に必要な睡眠時間が確保できない場合は、午後の早い時刻に30分以内の短い昼寝をすることで、作業能率の改善に効果を上げることができます。

9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
年齢相応の適切な睡眠時間を目標に、就寝時刻、起床時刻を見直し、寝床で過ごす時間を適正化することが大切です。長い時間眠ろうと寝床で長く過ごしすぎると、かえって睡眠が浅くなり、結果として熟睡感が得られません。適切な睡眠時間を評価するには、日中しっかり目覚めて過ごせているかが一つの目安となります。
日中の適度な運動は、睡眠と覚醒のリズムにメリハリをつけることに役立ち、熟睡感の向上につながります。まずは無理をしない程度の軽い運動から始めてみましょう。

10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
就床時刻にこだわりすぎないようにし、その日の眠気に応じて「眠くなってから寝床につく」ようにしましょう。眠たくないのに無理に眠ろうとすると、かえって緊張を高め、眠りへの移行を妨げます。自分にあった方法で心身ともにリラックスすることが重要です。また寝床に就く時間が遅れても朝起きる時間を遅らせず、できるだけ一定に保つように心掛けましょう。

眠りが浅い場合は、寝床で過ごす時間が長すぎる可能性があります。積極的に遅寝・早起きして、寝床で過ごす時間の適正化を図りましょう。

11.いつもと違う睡眠には、要注意。
睡眠中の心身の変化には、専門的な治療を要する病気が隠れていることがあるため、注意が必要です。

睡眠中の激しいいびきや呼吸停止、就寝時の足のむずむず感や手足のぴくつき、歯ぎしりはさまざまな疾患の可能性が考えられます。医師や歯科医に早めに相談するようにしましょう。
不眠や、睡眠時間が確保されていても日中の眠気や居眠りで困っている場合は、専門家に相談し、適切な検査・対策を取るようにしましょう。

12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。
睡眠に問題が生じ、日中の生活に悪影響があり、自らの工夫だけでは改善しないと感じた時には、早めに専門家へ相談しましょう。相談できる人を持つことは大きな助けとなります。

睡眠薬などの薬剤を使用する場合は、医師や薬剤師から服薬指導を受けることが重要です。疑問や不安がある場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。

>>厚生労働省ホームページ【政策について】より
健康づくりのための睡眠指針2014(平成26年3月)[PDF形式:990KB]

質の良い睡眠をとるために、日常に工夫を取り入れてみよう。


◆規則正しい生活。
基本的には、毎日一定の時刻に布団に入り、起床する習慣を身に付けましょう。

◆ぐっすり眠れる環境づくり
・寝室の環境を整える
温度、湿度を調整し、外の光を遮断するなど明るさにも注意します。


・布団へ入る前に、リラックス
本を読んだり、音楽を聞いたりするとリラックスします。


・スマホ画面を見る時間を減らす
スマートフォン、パソコンなど、光を発するデバイスの使用は、就寝前は控えましょう。


・就寝前の飲酒を控える
飲酒は一時的な入眠を促しますが、中途覚醒が増えて熟睡の妨げになります。


・軽いストレッチング
軽いストレッチングを行う事で副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせます。

◆体を動かす。
日中の運動には、覚醒と睡眠のメリハリをつけ、睡眠のリズムを整える作用があります。
軽いランニング、ウォーキング、サイクリング、エクササイズなどの有酸素運動で、気持ちも心もリフレッシュしましょう。

☆一日にたくさんやるより、継続して習慣化することが大切です。

◆気軽にはじめられるウォーキング
ウォーキングは、一日おおむね8,000歩を目安に生活しましょう。
はじめは毎日+1000歩多く歩くことを目標に、徐々に歩数を増やしていきましょう。

【提携・提供】一般社団法人 メディカル・フィットネス協会

【MFA健康コラムVOL.10】良い睡眠をとろう! | 一般社団法人メディカル・フィットネス協会

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